ホントに私の本読んだ? 赤崎勇さんとの初対面 私が会ったノーベル受賞者2
2021-04-02


大阪にいた時、京都にいらっしゃった赤崎さんにお話を伺う機会があった。ちょうどその直前に、研究生活を振り返った自叙伝のような本が出版されたので、事前に読んでおいた。メーカーなどほとんどの研究者が作れないと早々に撤退した青色LEDを絶対にできると諦めなかったある意味頑強な研究者。で、どうして、赤崎さん以外の人たちは諦めたのかについて質問したのだけど。赤崎さんは「あなたは本当に私の本を読んだのですか?}と真顔で聞く。つい1日前に通読したばかりでその内容はよく覚えていた。「私の本に書いてあるんですけどね」とあきれたような顔をしながらも、説明していただけた。そんなこと書いてあったかな? 私は首をかしげ、帰ってから見直してみた。そんなこと書いてない。いや、無理に解釈すればそう取れないこともない。どういう事か。つまり、この話は、自分がいかに優れていて、他の研究者がいかに愚かだったかという自慢話の類い。そして、これは私の解釈あdが、赤崎さんは研究能力は突出しているが、自分の能力や業績がいかにすごいかという自画自賛をするのが極めつきに下手くそなのだ。欧米の研究者は昔から自分を大きく見せる誇大宣伝が得意だし、留学でアメリカナイズされた近年の日本人研究者も自己アピールが上手。しかし、昔の日本人研究者はまったく違った。評価は他人がするものであって、自分の業績を吹聴して回るものではない。ましてや、ペラペラしゃべるでないと幼少時から叩き込まれる薩摩隼人。今や絶滅しかかっている古き良き時代の研究者だったのだ。

◆高山の酒中の仙 私が会ったノーベル受賞者1
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