伝統でもヒトは食べちゃダメ ブラック校則
2021-02-26


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東京を離れて初めて住んだのが福島だった。当時、福島県は240数校ある中学のうち、例外の2、3校を除いてすべて男子生徒は丸刈りという校則。普通の県だと、郡部は丸刈りだが、人口の多い市部は違うというのが多かった。郡山市、いわき市、福島市という東北では仙台を除けばまあまあ大きい市でも公立中は全員坊主という異様な光景。福島では中学男子は丸坊主が当たり前で、ほとんど誰もそれに疑問を覚えず、街で見かけてもすぐ中学生と分かるので指導がしやすいといった有り様。
この中学生の丸刈り問題を5回の連載にした。郡山の新設市立中は、丸刈りを強制しない校則を導入しようとしたが、親などの反対にあって挫折した。そこの校長は本音は守旧派。教頭が進歩派。「いずれは親も変わる」と。なぜなら、制服に詰め襟ではなくブレザーを採用したから。丸刈りとブレザーは極めつけに相性が悪く、いずれその違和感が変える力になると期待していた。「福島では中学生は丸坊主と昔から決まっているから急に変えろと言ってもは無理なんです」。
 短いコラムにその言葉を引用し、<首狩り族の保護地域に行ったら、「ここの住人は昔から人間を食べているので急にやめろと言っても無理なんです」と言われた気がした>と書いたのだが、先輩が没に。それぐらいショックを与えないと教育者に分からないと思ったんだが。慣例であろうが昔から受け入れられていようが、間違った事は間違っていると。

◆(池上彰の新聞ななめ読み)身近で論議呼ぶ記事 校則裁判、小さすぎる扱い
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