良記事書き過ぎ上司の嫉妬で左遷の天才記者達に一言
2020-03-25


星新一賞が発表された。子どもの頃読みふけった星新一のショートショートを思い出す。おそらく当時手に入るほとんどすべてを読破したはず。いろいろな世代の人間を見ていてよみがえるのは「海のハープ」という作品。
<女性の主人公が海でハープを拾います。おそらくアフロディテのような女神の魔法のハープで、それを奏でると、周囲にいる男性がこぞって貢ぎ物を持ちプロポーズに訪れます。才能や魅力にあふれた世界中の男性が寄ってくるので、最初のうちは有頂天でした。しかし、演奏をやめるとみな何事もなかったかのように我に返り、
去っていきます。「ハープの魔法の力に誘われているだけで、この人たちは自分に何の魅力も感じてないんだ」と虚しくなります。そして、あるとき、ハープを止めても残っている男性が現れました。「なぜ帰らないのか」問うと、「ずっとそばにいたいから」と答えます。もう必要がないと2人でハープを海に返しに行きます>
(記憶なので、デテールはかなり違うかもしれない)。

 小学生のころの私にはこの隠喩がわからなかった。人はそれぞれ才能や地位や財産などいろいろな種類のハープを持っている。そして、しばしばハープの魔力を自分自身の魅力だとかんちがいしがちだと。
 大企業の部長だった人が定年になったとたん何百枚と来ていた年賀状が激減し、ショックを受けたというエピソードを何かで読んだことがある。これも部長の肩書というハープの魅力に吸い寄せられて年賀状が来ていることに気づかなかったと言える。
 さて、昔ほどの絶大な神通力は失せたといっても、大手マスメディアの名刺はいまだに相当に強力な魔力を持つハープ。
 右も左もわからない新人のころはあまりないかもしれないが、いつのまにか、このハープの力を自分自身の魅力とかんちがいしないよう、常にどこかで意識していてほしいものだ。また、ハープがなくても残ってくれる人が一体どれほどいるのかということも。
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