マスク効果無し論文を有効論文だと言い張る困った人
2020-02-09


禺画像]
研究者の間ではマスクにインフルなどの感染症の予防効果がない事は常識だ。
で、これもマスクに効果が見られなかったという論文なのだが、この論文の図を見て「マスクは有効だ」という論文だと強行に言い張る人がいて手を焼いた。
[URL]
[URL]
 冒頭のアブストラクト(要旨)に
Face mask use alone showed a similar reduction in ILI compared with the control group, but adjusted estimates were not statistically significant.
と書いてある。マスクの使用だけではインフルへの有効性は見られなかったという趣旨だ。その人はstatistically significantの意味が分からないのだろうか? 「有意差はなかった」の意味が分からない人がなぜこの論文を読もうと思ったのか。図だけ見て、本文を読まないとかあるのだろうか。
 この論文の内容をざっくり説明するとこうだ。
約1400人を、1)マスクを着けるだけの人、2)マスクを着け、手を洗う人、3)何もしない人、の3つに分け、インフルエンザの発生率を見た。
 すると、マスク+手洗いのグループ(2)は、何もしないグループ(3)よりインフルの発生が少なかった。だが、マスクだけ(1)だと効果がなかったという結果だ。困るのは、この実験では、手を洗うだけでマスクをしないグループがない。だから、マスクだけでは効果がないと言えるが、(a)手を洗うだけで十分効果があってマスクは無関係なのか、(b)手洗いとマスクが合わさって初めて効果が出るのか、(c)手洗いだけでも効果があるがマスクで上乗せがあるのか、この実験では区別がつかない。
 図を見ると、マスクだけでも少し発生が下がっているように見えるが、要旨にあるように、統計的な処理(例えば、年齢の偏りを調整するなど)を加えると有意差がなかったという結論だ。
[新型コロナウイルス]
[インフル]
[ウイルス]
[コロナ]
[コロナウイルス]
[新型肺炎]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット