インフルワクチン、効くようになるかも
2020-02-01


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以前、<インフルワクチンが効かない真の理由 製法に欠陥>という記事を書いた。
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 簡単に言うと、ワクチンの種に使う元々のインフルエンザウイルスは効果があるのだが、ウイルスを増やすために卵で培養しているうちに、ウイルスが変化してしまうため、製品になったワクチンは、一番タチが悪くて流行も激しいA香港型にはほとんど効果が期待できないということだ。
 ウイルスの質の低下を防ぐには、培養に卵ではなく細胞を使う方法がある。だが、武田薬品は細胞培養季節性インフルエンザワクチンの日本での開発を中止した。おそらく、高い、細胞は品質のばらつきの管理がめんどう、品質を保つのが難しいなど大量生産に不向きなのだろう。
 で、期待されているのはアメリカで実用化されている経鼻ワクチン。いわゆる鼻にシュッというやつだ。
 今のワクチンだって、ほとんど意味がないくらいにしか効かないというだけで、全く効かないわけではない。そして、質の問題は量で補えるのだ。インフルワクチンを注射して体内にできる抗体が、流行中のインフルのウイルスに対して本来の力の64分の1、128分の1しか効果がないとしても、濃さが1000倍なら効く。擬人化すると、ワクチンでできた抗体1人1人がダメ兵士でもものすごい人数を投入できればウイルスに勝てるのだ。
 インフルウイルスはのどや鼻の粘膜から感染する。経鼻ワクチンは、その粘膜にワクチンウイルスを直接吹きかけるのだ。しかもアメリカの製品は生ワクチンなので、非常に強く反応して抗体が大量にできる。強すぎて熱が出ちゃうぐらいだ。インフルウイルスが鼻や口から侵入しようとしても、そこにすごい数の抗体が集結して待ち構えている。流行しているウイルスとワクチンのウイルスで遺伝子が少々違っていても構わない。感染阻止の効果まであるという。
 日本でも開発中で昨年辺りから承認申請のニュースがちらほら出ている。いままでの注射ワクチンよりはマシじゃないかと期待している。ただし、日本のはアメリカのような生ワクチンではなく、ウイルスを壊して使う不活化ワクチンなので、アメリカの物よりは効果が弱いかもしれない。こればっかりは使ってみない事にはなんとも言えないのが医学生物の世界だ。

補足@ アメリカの製品フルミスト(インフルの霧?)は第一三共が日本でのライセンスを取って、承認申請中だそうだ。ウイルスを不活化した経鼻ワクチンは阪大微研が開発中。
補足A アメリカの製品を個人輸入して使う事はお勧めしない。何か起きても保証がないし、生ワクチンは保存の仕方が悪いと劣化しやすいので。
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