このタレントの白血病は池江選手と同じ
2019-12-27


たまにはブログタイトルらしい話題を。
このタレントの白血病は池江璃花子選手と同じ急性リンパ性。
◆「売名だね」ネットに悪口 白血病公表した彼女のいま
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 以前、池江選手の詳しい診断名は本人が進んで公表しない限り、SNSや雑誌などでの詮索は止めてあげて欲しいと書いた。自ら公表したという事は検査結果の数値などかなり治療結果がいいからなのだろうと個人的には期待している。
◆「病名・白血病」は「好きな食べ物・麺類」と答えるような物
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「病名・白血病」は「好きな食べ物は麺類です」ぐらいだとすれば、急性リンパ性白血病は麺類がパスタに限定されたという所だ。
 白血病にもいろいろあり、慢性骨髄性白血病は分子標的薬の進歩により薬だけで完治が可能かもしれないと期待されている。急性に関してはそれほど効果の明確な分子標的薬はまだない。最初は抗がん剤を使う化学療法で白血病細胞(がん細胞)を叩くが、白血病細胞の活動を押さえ込めたところで、若くて体力があれば移植に進むのがまだ一般的。
 造血幹細胞移植というと、まるで、移植自体が白血病の治療のように聞こえるが、実際に治療に使われているのはやはり抗がん剤だ。一般の化学療法よりずっと大量で強力な抗がん剤を使い、さらには放射線もプラスして体内の白血病細胞を徹底的に破壊する。何でこんな事ができるかというと、白血病細胞などのがん細胞は生きている細胞だから大量の抗がん剤や放射線で死ぬが、赤血球は元々生きた細胞ではないので死なないのだ。ただし、体を外敵から守る免疫細胞(白血球)や血液をつくる造血幹細胞も白血病細胞もろとも死んでしまう。そこで、他人の造血幹細胞を取って点滴で体に入れる。移植された細胞が定着して新たな免疫細胞などが増え出すまでウイルスなどの外敵から身を守れないので、感染症などになると非常に危険だ。
 近年、移植自体にも補助的な治療効果がある事が分かってきた。白血病細胞のようながん細胞は日々体内で生まれているが、生まれてもすぐ免疫細胞の攻撃を受け、壊される。そんな中、免疫細胞の攻撃をうまくかわす戦略を身につけたがん細胞が増えて、がんになるのだ。がん細胞は本人の正常な細胞から生まれるから免疫の攻撃を元々受けにくい性質がある。
 造血幹細胞移植で新たにつくられる免疫細胞は患者とは他人のものだ。逆に新たな免疫細胞側から見れば、患者の白血病細胞も他人なので積極的に攻撃する。これまで患者自身の免疫はかわしてきた白血病細胞も勝手が違い、やられてしまう。これを「移植片対白血病効果(GVL効果)」という。ただし、これは患者自身の細胞にも言える事で、移植でできた他人の免疫細胞が患者の臓器を襲うGVHD(移植片対宿主病)という危険な副作用と諸刃の剣だ。GVHDが起きないよううまくコントロールしながら、GVLで白血病細胞を根絶やしにし、再発を防ぐというのが治療戦略だ。
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